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「……んっ」
ーーー圭吾は俺が好きだ。だから、その気持ちを逆手に取った事にすればいい。
「ふっ……んぅ」
薄く開かれた唇の中へ圭吾の舌が入って来るのを、緊張気味に受け入れながら、瞬の心は泣きたいような、嬉しいような、奇妙な気持ちに包まれた。
去年……副会長だった自分は、佐野の従者に選ばれた彼を助ける事が出来なかった。
圭吾の気持ちをずっと知りながら、中途半端に返事もしないでいた癖に……命令とはいえ佐野を抱いた彼の事を許せなかった。
だけど何より、好きだと告げる勇気も持てずに、幼馴染というポジションに甘んじて来た自分が一番狡くて愚かだったと思う。
―――巻き込んで、ごめん。
昔も今も、瞬には他に頼れる存在などいない。
結局圭吾に甘えてばかりでそんな自分に嫌気がさす。
「……んぅっ」
「もしかして、キスするの……初めて?」
一旦口を離した圭吾にそう問われ、上手く答えられない瞬が視線を逸らして頬を染めると、喉奥でクッと笑った彼に再度唇を塞がれた。
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