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「……きて」
「ん……んぅ」
「起きて、叶多。あまり時間が無いんだ」
聞き覚えのある柔らかな声に、促されるよう瞼を開くが、暗い視界はぼんやりしていて相手の姿は捉えられない。
「……唯?」
「うん、そうだよ。叶多……会いたかった」
「あ……」
恐る恐る尋ねた途端、身体をギュッと抱き締められ、驚きと戸惑いの余り体がビクリと反応した。
薬が残っているせいなのか緩慢にしか動かせないが、それでも腕を伸ばそうとすれば、手首をガシリと掴まれる。
「唯、目が……」
「ああ、見えないよね。目隠ししてるから」
「な……なんで?」
「今は見えない方が良いから……ね」
優しそうに響く声音は以前と同じ物なのに……何処か違和感を感じた叶多はそれ以上の言葉を紡げず、そこに居る筈の唯人に向かって口を小さく開閉させた。
「まあ、そうだな」
違う方から聞こえた声も叶多の良く知る人物の物で、どうしてこんな状況なのかを教えて欲しくて堪らなくなるが、あまりに動揺しているせいで上手く言葉が見つからない。
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