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「どうして?なん……」
「さあ、何でだろうな。ただ、一つだけ教えてやるよ……俺と悠哉は兄弟だ、母親は違うけど……な」
「え?」
「お喋りはそこまでだ。そんなに時間が無いからね……叶多、ちょっと痛いかもしれないけど、我慢するんだよ。大丈夫、俺は叶多の味方だ。これまでだってそうだったろう?」
優しく頭を撫でられれば、不思議と体の強張りが解け、甘い声音に操られるよう叶多は小さく頷き返す。
「いい子だ」
「唯……」
もう会う事など出来やしないと今まで思って来ただけに……こんなおかしな状況だけれど、このまま彼に縋りつきたいような衝動に叶多は駆られた。
「大丈夫、全部上手くいく。叶多は俺を信じてればいい」
鎖骨の辺りをなぞる指先に叶多は小さく息を詰める。
唯人がこんな触れ方をしたのは初めての事だったから……もしかすると、薬のせいで見ている幻影なのかもしれない。
「いいよ」
彼が一言そう言い放つと、誰かが動く気配がした。
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