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いつもは一緒に眠っても……朝目を覚ますと居なくなっている事が殆どだったから、驚きはしたがそれよりもっと気になる事が叶多にはあった。
ーーーあれは……あの出来事は……。
ほとんど同時に目覚めた須賀は何も言わずに出て行ったから、その前日……自分を襲った出来事は全て夢じゃないかと思ったけれど、焼けつくような肩の痛みに真実であるとすぐに悟った。
ーーーだけど……だったら、何で?
「もう食わないのか?」
「あ、はい……もう、お腹いっぱいです」
生徒会室に入って直ぐに弁当が二つ届けられ、須賀の声の命じるままに隣に座って食べている。
色とりどりの箱の中身は確かにとても美味しかったが、小食なうえに緊張していて半分程も食べられなかった。
「薬は?」
「あ、はい。今……」
促されるまま鞄を開くと、叶多は小さなピルケースから錠剤を取って口に含む。
ビタミン剤だと渡されたそれを最初は飲むのを拒んだが……結局彼に口移しされ、抗えないと分かってからは、食後に必ず言われたとおり飲むのが日課になっていた。
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