アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
36
-
―――違う、唯には何か考えが……。
「や、やめっ!」
「逃げるな」
手首を頭上で纏め上げられ、もう片方の掌で顎を掴まれ顔を上向きにされる。
「お前の主は誰だ?」
「……」
静かな声音でそう問われ、叶多はコクリと唾を飲み込んだ。
もう何度も言わされていて、自分の心に嘘を吐くのにも慣れてしまったと思っていたが、数日前に唯人の声を久々に聞いてしまった事で、心はかなり不安定になり、常に気持ちがざわついていた。
「言え」
「……貴方…です」
「……分かってるならそれでいい」
喉から無理矢理声を絞り出し、何とか答えたその瞬間、須賀の表情が歪んだように見えたのは……きっと錯覚かなにかだろう。
数日前、叶多の身体に灼熱のコテを押し付けたのは御園だが……目の前に居る残酷な男も、これまでかなり酷い仕打ちを叶多に課してきたのだから。
「あっ」
手首をようやく離した須賀に今度は身体を抱き締められ……驚きに声を上げた刹那、身体をずらした彼が首筋に唇を押し付けてきた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
238 / 552