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「大丈夫だよ、会長は来ない」
叶多が動揺している理由を須賀の事だと思ったのか……廊下に出た所で瞬からそっと小さく耳打ちされて、胸の奥の方からジワジワ罪悪感が芽生えてくる。
ーーーダメだ。
「瞬、あのさ……」
唯一信用出来る彼にまで嘘を吐いてはいけないと……思った叶多はさっきの事を伝えようと口を開いた。
「どうして……伊東…さんが来たの?」
だけど……直ぐには迷いが断ち切れず、どう話せば良いかも分からず、疑問に思っていた事が先に口を突いて出てしまう。
「俺が連絡した。もし力で勝負したら負けるって分かってるから、授業受けるふりしながら、すぐ来いってメールしてた。佐野にはバレてたみたいだけど……頼りなくてごめん」
「そんな事無い。瞬がいてくれなかったら、僕、この学校でずっと一人だった」
転校してからこの数ヶ月、どれだけ彼の存在に救われたか分からない。
上手く言葉には出来ないけれど、その気持ちだけは本当だった。
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