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汚い
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夕方。
人気の無い路地裏で、暁は目を覚ました。
徐々に意識が戻り、これまでの記憶を思い出す。
ーー公園を出た後、知らない男の人にここに連れ込まれて、手足を縛られて、服を脱がされて…
見ると暁の姿は、衣服が乱れ下半身は自分のと相手のでどろどろに汚れていた。
「…うぅっ」
自分のされた事を思い出して吐き気を催し、暁は嘔吐した。
胃から出た物は殆ど液体で、辺りに酸っぱい臭いが立ち込めた。
「…汚い、僕」
生気の抜けた表情で乱れた服を整え、ふらふらと歩いて家に向かった。
「…ただいま」
「おかえり。ずいぶん長い散歩だったね」
家に着くと、葉月と夕飯の匂いが暁を出迎えた。
しかし、今の暁には食欲をそそられる状態ではなかった。
「うん…外、暑かったから汗だくなんだ。先にお風呂に入っていいかな?」
「いいよーまだご飯出来てないから」
そう言って葉月は台所に向かった。
暁は部屋に行き、パジャマと下着を持って風呂場に向かった。
シャワーを浴びながら、暁は全身を強く擦った。
擦りすぎて肌が赤くなっているが、気にせずに擦り続けた。
「…あ、中のもの出さないと…」
おそるおそる指を入れてみるものの、指先を入れるだけで精一杯だった。
「うぅ…無理…」
よくこんな小さい穴に入れられるものだと溜息をついた。
指を入れるのは諦め、後孔を広げてシャワーのお湯を入れた。
「んんっ…くぅ、ん…」
シャワーの刺激をこらえ、どうにか出されたものを出すことが出来た。
処理を終えた暁はその場に座って呆然としていた。
「卒業しても、ずっとこんな事が続くのかな…」
終わることの無い苦痛を考え、暁は何もかも投げ出したくなった。
ーーいっそ、全てを終わらしてしまおうかーー
そこまで考えたものの、暁にはそこまでするほどの勇気は無かった。
「立ち向かう勇気も無ければ、逃げる勇気も無いんだな…僕は…」
立ち上がり、風呂場に備え付けられている鏡で自分の姿を見る。
そこには、貧相な体つきの男子がいた。
男子というより、女子に近いような、下手したら女子よりも貧相な体だった。
ーー相手に襲われてもされるがまま、何もしなくても誰かが助けてくれる、助からなくても我慢してればやりすごせる、戦う必要も逃げる必要もない、やりすごせばそれでいいーー
「…僕は…汚いなぁ…」
鏡に手をついて項垂れ、涙を流した。
流してるはずなのに、流れている感覚が無かった。
シャワーのお湯を頭から浴びているからだろうか。
それとも
本当に流れていないからだろうか。
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