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風呂から出てみたらなんだか良い匂いがした。
「憂心?なにやって…」
「あ、冬人さん、夜ご飯作ってみました。」
そう言った憂心はにこにこしている。
「す、すごいな…よくあんだけの食材でこんなに…」
「こういうのは得意なんです」
「へー、見てたら腹減ってきた!」
「あ、ご飯もうすぐ炊けますよ」
「おお、楽しみだなー」
「えへへっ、良かった、喜んでもらえたみたいで。」
「こんなの喜ばないやついないだろー、ところでさ、大学はこの辺だとすると点丸大学?」
「そうです」
「やっぱりか、オレの働いてるとこにめちゃめちゃ近いな」
「てことは点丸株式会社ですか?」
「そうそう!」
「ほんとに近いんですね」
「あっ!明日は一緒に行こう、車乗せてくよ」
「良いんですか?」
「うん、んで帰りも乗っけてくから終わったら電話して?そんでそのまま憂心の荷物取りに行こう」
「あ、はいっすみません…」
「謝んなって…はいこれ電話番号、明日かけてな」
「わかりました…本当にすみません…」
「もう…謝るの禁止!」
「…えっ」
「こういうときはありがとうって言いなさい!おっけ?」
「あっ、ありがとう、ございます」
「うむ!そうやって笑っとけ。」
「あ…」
ピピーピピー
「あ、炊けた?」
「そっ、そうみたいですね!よそってきます!」
『ごちそうさまでした。』
「久々に誰かの手料理食べた。」
「そうなんですか?彼女さんとかは?」
「…残念なことに、こんな童顔誰も相手にしてくれないんだよ…」
「おれは良いと思いますけどね。冬人さん。」
「そうだろそうだろ?」
「はいっ」
「そう思うなら誰か紹介してくれー」
「女の子ですか?」
「当たり前だろ!誰が男なんかっ」
「そうですよね…」
「あっ、ちが、これは別に!……悪い…」
「あっ、いえっ!気にしないでください!」
あー、しまった…
わざとじゃない、別にこいつを軽蔑しているわけでもないし、男同士の恋愛を否定したいわけでもない。
でもきっとこいつはそう思って、距離を置いたりするんだろうな。
「……寝るか!」
「あっ、はいっ」
「ベット一個しかないんだよなー、布団もないし…」
「おれはどこでも寝れます、家に入れてもらっただけで感謝してますし、床でもどこでも良いですよ?」
「んや!それじゃだめだろ。」
そんなことしたらこいつがますます卑屈になる。
「え?」
「だって今日散々寒い思いしただろうし、床は冷たすぎる。」
「冬人さん…」
「だから、一緒に寝るか。」
「…は?」
「ん?ベット結構でかいぞ?」
「あ、いや、そういう問題じゃ…」
「まあいいじゃん、寝ようぜ。」
「え、ちょっ、冬人さん?」
ボフッ
「あー布団きもちー、ほら、隣」
「大丈夫なんですか?おれなんか一緒に寝て…」
「お前の性格はだいたいわかった。その上で一緒に寝るくらい良いと思ったんだ。」
「………」
「早く、オレが風邪ひくって!」
「えあ、はいっ」
ここまで言ってやっと布団に入ってきた憂心。
「よしよし。明日ちゃんと連絡しろよ?」
「はい…」
「んじゃ、おやすみ」
「おやすみなさい…」
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