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猫の、兄弟。
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「この車だから。」
「あ、はいっ」
ガチャ
「?、何してんだ、早く入れ」
助手席の扉を開けてやったらなんだか驚いた顔をされた。
なんでだ…?
「えっ、し、失礼します…」
「おう。」
バタンッ
「んーと、点丸大学だっけ?」
「はい、そうです。」
「よし、じゃあ出発」
会社より少し手前だから10分かからないくらいで着くな…
「あの、冬人さん」
「ん?」
「同じ会社の、福田清正って知ってますか?」
「んー、聞いたことある気がする…あ、あのなんか柔らかい雰囲気のやつ?」
ふにゃっとしてるかと思いきや、意外と仕事出来ちゃうイケメンモテ男くんだな。全く、羨ましい限りだ。
「ふふっ、柔らかいですか?」
「うん、それがどした?」
「あ、えっと、それおれの兄で…」
「え…?あ、そういえば苗字一緒だな」
「はいっ」
「確かに憂心と似てるな…雰囲気とか。見た目とか。」
「え、おれも雰囲気柔らかいですか?」
「うん、柔らかい」
「おれあんな感じなのか…」
「嬉しそうだな」
「あ…兄はおれの憧れで…誰にでも優しくて、強くて…でも最近会えてないな…」
「へえ…オレ一人っ子だからなあ…」
「え、そうなんですか?」
「うん。兄弟欲しかった。」
「冬人さん兄さんに似てるから、絶対弟とか居るんだと思ってましたっ」
「そうか…?オレはあんなに柔らかい雰囲気じゃないと思うぞ?」
「いや、雰囲気と言うよりは、優しくて強い所が似てます。」
「ほうほう…」
憂心にはオレはそう見えてんだな…ちょっと嬉しい。
「おれは3人兄弟の真ん中です」
「弟も居るのか?」
「はい、少し手のかかる弟が。」
「手のかかる?」
「…泣き虫なくせに、喧嘩をよくするんです。」
「へえ」
この雰囲気の兄2人が居てもそう育つって中々…
「でも最近は、兄と暮らすようになって喧嘩しなくなりました。」
「お、良かったな」
「まあ…ほんとは兄のおかげじゃなくて、恋人のおかげなんですけどね…」
「恋人…?弟いくつだ?」
「高3です」
「この時期なんてもう卒業じゃないのか?」
「そうですね…でもその恋人さんならきっと、ハルのこと幸せにしてくれます」
「ハル?」
「あ、弟の名前晴臣って言うんで、それでハルって呼んでて。」
「てか…幸せにしてくれるって…男は幸せにさせる側じゃないのか?」
「あ……えっと……」
「なんだ…?」
「その…ハルの恋人っていうのは…お、男の人、です。」
「は?……まさか…」
弟もそうなのか…?
「はい、そのまさかで…孝介さんっていう、おまわりさんです…」
「お、おまわりさん!?」
おまわりさんが男子高校生と付き合ってんのか…?良いのかそれ…
「すごくしっかりしてて、ハルが喧嘩しなくなったのは絶対孝介さんのおかげだと思います。」
「ふーん」
にこにこしやがって…ふっ
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