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猫の、気がかり。【憂心目線】
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冬人さんは昨日から少し、様子がおかしい。
早く帰ってきたかと思えばおれに抱きついてきて…あそこにおれが居なかったら、違う人にしていたんだろうか。
そして時々、何か悩んでいるみたいなそぶりを見せる。
そんな冬人さんを見て胸が締め付けられていたら、途端に一緒にご飯を作ろうとか言い出す。
自分には全くわからない…
期待してもいいのか、いけないのか。
冬人さんの心の中を覗けたらいいのにな。なんて思ってみたり。
うじうじと考えているおれの隣で、冬人さんは真剣な顔つきで野菜を切ってる。
ほんとに料理したことないんだな…
かわいい…
「ゆっ、ゆうしん…」
「はい」
「これ…どう切るんだ?」
「ああ、それは…こう、縦に切ってください」
「えっ、お、おう…」
そもそもなぜ料理を…
おれから離れるための準備?
話ってのいうのは恋人の事?
最後のお別れでとった有給?
ああ、だめだ、全部辻褄があってしまう。
もし、冬人さんに好きな人ができたら、おれは…出て行かなくちゃいけない。それは当たり前のことで、おれなんかが決められることでもなくて…
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