アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
③
-
「冬人さん着きました。此処です。」
「へ?どこだここ。」
目の前にあるのは少し古そうな旅館っぽい建物。
「見たとおり、旅館です。」
「……は?何すんの?」
「それはもちろん、温泉に入るんです。」
「お、温泉!?」
それで休める場所…か。
「温泉嫌いですか?」
「え、あ、いや、嫌いなわけないだろ…」
オレが気にしてるのはそこじゃない!
「良かった…じゃ、行きましょ」
憂心がこげ茶色の引き戸をゆっくり引いた
ガラガラガラ
「あらっ!憂心くんじゃないの」
「あ、叔母さん、こんにちは」
なんかこの人女将っぽい…
「そこの人は…?」
「あ、ええと…同居してるんだ。冬人さん。」
「まあ、そうなの?憂心がお世話になってます〜」
「あっ、いえこちらこそ」
慌てて頭を下げた
「冬人さん、この人はおれの叔母で、この旅館の女将やってるんだ。」
「そうなのか…」
やっぱり女将だった
「大学の知り合いかしら?」
「いや、冬人さんは社会人だよ」
「あらまあっ!」
「ははっ…」
そんなに驚かなくても…
「おれより…20歳くらい年上だよ」
「ええっ!?」
女将さんの目がさっきよりも更に見開いた
「驚かせて申し訳ないんですが、これでも37歳でして…」
「そうだったんですねえ…でもそれなら、どこで知り合ったんです?」
「あ…それは…」
言えないな…橋の上で拾ったなんて…
「しっ、知り合いの知り合いだったんだ…」
「へえ〜、よく仲良くなれたわねえ」
「…まあね。」
女将さんは特に何も疑っていないようだった。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
63 / 98