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⑥
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手を繋いだまま大浴場へと向かう。運良く誰にも会うことなく辿り着いて、脱衣場で脱ぎ始めた。
憂心はこちらを見なくなったので、オレもそちらを見ることなく、脱ぎ終わる。
一応タオルを腰に巻いて、隣を見た。
「憂心もう行っ…」
「な、なんですか…?」
こっちを見ないまま答えるから、オレがなぜ途中で話すのをやめたかわからないんだろう。
オレの目線の先を見れば、一目瞭然なのに。
「憂心ってさ、鍛えてんの?」
オレの目線の先とは、憂心の綺麗に割れた腹筋。
「え…?」
「意外と筋肉ついてたんだな」
「ちょっ、見ないでください!」
「いいじゃん別に。」
「だめです!」
「あ…そう…」
ちょっとぐらいいいじゃんか…
「あの、タオルとか巻いてますよね?」
「うん。」
「よかった……あっ!」
「今度はなんだ?」
「タオルって、もしかして腰に巻いてますか?」
「そうだけど…」
「そっか…そうですよね…」
「なんで?」
「いや…胸も隠してほしくて…」
「…オレは男だぞ?」
「わかってます、わかってるんですけど…」
「ん?なに?」
「正直言うと、おれ以外の人に見てほしくない、です…」
「ばっ、ばかおまえ…」
オレの身体は恥ずかしさですっかり熱くなってしまった。
「すみません…」
「だったらなんで温泉なんだよ…」
「単純に冬人さんと行きたかったんですけど、裸になるのは此処につく少し前に思い出して…」
「珍しいな、そんなミスするなんて」
「楽しみすぎて忘れてました…」
そう言われてしまうと何も言い返せなくなる。
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