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秘密の面会タイム ver.悠汰
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いつも窓から眺められるだけで十分なんだ。
たまたま僕の勉強机と彼の勉強机が向い合った位置にあるだけ。ただそれだけ。
お互い黙々と勉強をし窓の奥に映っている相手なんて気にしない。
いいや、それは嘘だ。少なくとも僕は気にしてしまっている。
僕、桔梗悠汰[キキョウユウタ]はなんの取り柄もなく人見知りで内気な18歳の高校三年生。そして隣の家に住んでいる同い年の藤緋色[フジヒイロ]に恋をしている。
しかし話したことはない。
机に向かって何かしている時のその考えこんだ表情や難しい顔が美しくていつの間にか恋愛感情が芽生えていた。
僕みたいに顔も普通ではなく藤くんはとても整っていて所謂イケメンさん。
私服もおしゃれ。友達も多いみたいだ。
そんな正反対な彼に恋をしてしまった事自体が間違いではないのか。こんな報われなくて声すらかけられない恋ならさっさとやめるべき何だけれどもやめられない。
「好きだよ…気づいてよ」
小さく窓の向こうの彼につぶやいても聞こえるはずもなく、また今日も彼を好きだという気持ちを考えるだけで一方的な面会タイム(勉強タイム)は終わってしまった。
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