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(西谷の声、エロい)
声を堪えているものの、僅かに漏れ出る嬌声はどうしようもないらしい。
いつも元気いっぱいな守護神がこんな色っぽい声で啼くのかと思ったら、異様な興奮を覚えた。
このままではヤバい。色んな意味で。
「……ッ」
無意識のうちに下肢に手が伸びて、既に熱く反応してしまっている自分自身に指を絡めた。
合宿に来てから数日。毎日厳しい練習が続いていてずっと抜いて居なかった。
そろそろ解放してやらないと自分が辛い。トイレに行きたい所だが、現状それは無理だ。
背後で行われている行為は未だ終わる気配がなく、完全に二人の世界へ入ってしまっている。
(旭がいけないんだ……こんな所で始めたりするから……西谷がエロい声で喘いだりするからこんな……)
上掛けの中で息を潜めながら軽く扱いただけで、先端から体液が溢れクチクチと濡れた音がする。
そんな音を自分が出してしまっている事に激しい羞恥心を覚えた。
恥ずかしいのに、止められない。
こんな場所でしてしまうという背徳感や、チームメイトをオカズに反応してしまった罪悪感やらで胸が苦しい。
「ん、……は、ぁ」
彼らの動きに合わせて扱いていると溜息のような喘ぎが洩れた。慌てて唇を噛み締め息を押し殺す。幸い、二人には気付かれていないようでホッとした。
「……菅原さん」
「!」
いきなり正面から声を掛けられてぎょっとした。恐る恐る視線を上げるとついさっきまで眠っていた筈の影山がジッとこちらを見ている。
「か、影……ッむぐっ」
思わず声を上げてしまいそうになった口をバフンと手で塞がれ、影山がこっちの布団に入ってくる。
「声、出したら気付かれます」
いいんですか? と、耳元で囁かれてブルブルと首を振った。
こんな姿をほかの誰かに気付かれるのだけは絶対に避けたい。
「菅原さん、スゲーエロい顔」
「っ!」
生暖かい息が耳にかかり、ぞくりと背筋が震えた。熱を孕んだ声や、舐めるような視線に余計羞恥心が煽られる。
最悪だ。よりによってこんな姿を見られるだなんて。
「後ろの二人の声聞いて我慢できなくなったんですか?」
今にも唇が耳に触れてしまいそうな距離で息を吹き込まれ、伸びてきた右手が下肢に触れる。
慌てて止めようとしたけれど、影山の指先が性器に絡む方が早かった。綺麗な指が形を確かめるように触れ、刺激を受けて透明な液が溢れ出てくる。
「わ、ば、馬鹿ッどこ触って……ッ」
「すっげ……」
「影山マジやめッ」
「あまり騒ぐとバレますよ」
「~~~ッ」
後輩に見つかっただけでもバツが悪いのに、この状態のモノを触られるなんて恥ずかしすぎて憤死してしまいそうだ。
上下にゆっくりと擦されクチクチと濡れた音が響く。
「大丈夫、誰にも言わないッス。こんな菅原さんの可愛い姿、誰にも見せたくねぇし」
「は……んッ、可愛いわけねーだろ!」
この姿の何処が可愛いと言うのか全く理解出来ない。
周囲(特に後ろの二人)にバレるのが怖くて激しい抵抗が出来ないのをいいことに、耳に熱い舌が滑り込んで来る。
濡れた水音が大きく鼓膜を震わせた。声を上げてしまいそうになり、影山のシャツを掴んで耐える。耳の中で響く卑猥な水音と、背後の二人にバレてしまうんではないかと言う思いが混ざり合い頭の中がぐちゃぐちゃになっていく。
「菅原さん可愛いっす。つかエロい」
「ッ、……。は、ぁ……」
聞こえる囁きは熱っぽく、体の芯にゾクゾク響く。どんなに堪えようとしても堪えきれず、噛み締めた唇の隙間から小さな喘ぎが洩れた。
「か、影山、ホントも……やめっ、これ以上するとオレ……」
「イってもいいです。俺、菅原さんのイく顔が見てみたい」
「そ、んなの見なくていいって!」
なんかの悪い冗談かと思ったが、言った本人は至って真面目な顔だ。ジッと見つめるその瞳には、獰猛な光が浮かんでいる。
全てを喰らい尽くされてしまいそうな瞳から目を逸らす事が出来ず、思わず息を呑んだ。
喉は焼け付いた様に熱く、カラカラに乾いてしまっている。
「あ、ほら……となりもそろそろ限界みたいっすね」
ふいっと視線を外されホッとしたのも束の間。突然鈴口に爪を立てられた。
ぴりっとした痛みが背筋を駆けて、同時に甘い痺れが沸き起こる。射精を促すような触れ方をされビクビクと身体が跳ねた。
「あっ、やッ」
後輩の手にイかされるのだけはどうしても避けたい。
指先が白くなるほど強くシャツを握り締め、下腹部に力を入れて見たけれど無駄な抵抗だった。
渦巻く欲望は開放の瞬間を求め高みへと上り詰めていく。
「ん、く……ッ」
ブルリと全身を震わせながら、影山の手の中に白濁を放つ。
射精の余韻に浸り、ぐったりと影山の身体に寄り添っていると頭上で小さくクスッと笑う声がした。
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