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☆俺の姉ちゃん
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ハァハァ……きっつ………
こんな夏の日に、荷物を両手に抱えて、ダッシュとか……
くる、しっ……
うぎぃ……姉ちゃんめ…。ドーナツショップ行ったらジュース奢らせてやる……
足がもつれて転びそうになった体を慌てて立て直す。
「あっぶねっ…はぁ…はぁ……
あーぢーー………」
これでも中学の時はバスケ部だったから体力はある…はず……
運動部入ってて良かったと思ったのは初めてだ…
そんなことを考えながら足を前に前に無意識に近い感覚で出していく。
アスファルトを全力で蹴る この感じが凄く好きだ。
俺、今走ってるって実感できるから。……スポーツでも始めようかな…
ちょっとは色んなことから気が紛れるかも。なんて卑怯なんだろうか、俺は……
終りが見えないような長い長い道を……ひたすら走り続けた。
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「明ぃ~!こっちこっち~~!♪」
駅前のドーナツショップに入って周りを見渡すと、奥の席から ひょっこりと顔を出して手をブンブンと振る姉ちゃんの姿が見えた。
ドーナツショップは凄く涼しくて、かいていた汗が全部 乾いていく感じがした。
「姉ちゃん……めっちゃ疲れたんだけど…」
「あはっ☆ごめん、ごめーん☆」
そう言いながらペロリと舌を出す姉の前の席に荷物を置き、飲み物を頼みに行く。
なんとなく甘酸っぱいのが飲みたくてオレンジジュースを頼んだ。
オレンジジュースを手に席戻ると、キラキラと目を輝かせる姉がいた。
「明、久しぶり!会いたかった~!」
席に戻って座る否や、とびっきりの笑顔を見せて素直な言葉を言う姉ちゃんは我が弟ながら可愛いと思った。
俺の姉ちゃんは杏奈(あんな)って名前で、俺の5個上の22歳だ。
俺の姉ちゃんは、早く自立がしたくて高卒でアパレル関係の仕事をしている。
今では、けっこう上の立場で自分で企画をしたりしているとか……
久しぶりの姉ちゃんはアパレル関係の仕事をしているってだけあって、オシャレで綺麗になっていた。
前髪を横に流していて、少し茶色の髪の毛はセミロングくらいで内巻きになっている。(例えるなら有村○純ちゃんみたいな髪型)
パッチリとした目は少しキリッとしていて、つけまつげなんかしなくても長いまつげはナチュラルメイクに よく似合っている。
足を組んで飲み物を飲む その姿さえ様になるくらいだ…。
「なーによー、ジロジロと人の顔を見てー」
俺の視線に気づいた姉ちゃんは少し微笑みながら俺に聞いてくる。
「いやー、姉ちゃん綺麗になったなーって!」
すると姉ちゃんは目を見開いてケタケタと笑った。
「明ったら、も~。急に褒めないでよ恥ずかしいじゃないのよ~~
でも、明も……なんか成長したって感じね…!」
「えー??普通はカッコ良くなったじゃないの?
なんで成長したなんだよーww」
「うーん、なんか上手く言えないんだけど……
カッコ良くなったよりは、綺麗になった…もしくはー…心がカッコ良くなった…かな!」
そう言った姉ちゃんはニッコリと笑って飲み物を飲む。
少し胸がドキリとした。……姉ちゃん変な勘が良いかな……
俺は誤魔化すように、頼んだ飲み物の氷をボリボリと無言でかじった。
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