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罠
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部屋のチャイムが鳴る。
「…黒尾さん、何でこんなに早いんだろう……」
メールで確認した迎えに来る時間は10時半。
でも今はまだ2時間前の8時半。
「まだ眠いんだけど……」
そう言いながらジャケットを羽織り、ドアを開ける。
「おはよぉございまーす」
反射で閉めようとしたドアをひとりの男に阻まれた。
「気持ち悪いんですけど。何なんですか、追いかけてきたんですか? ほんとキモいですね」
飛行機で絡んできた数人。
あと2人くらい増えている気がする。
「いや~、たまたま昨日君がチェックインするところ見ちゃってさ~。
飛行機でのお礼もしたいから、部屋まで着いてきちゃった笑」
気持ち悪っ。
言わないけどね、激高されるの嫌だし。
「…っつーわけで、君のことお持ち帰りしちゃって思う存分楽しもうと思うんだよね~」
そう言って腕を掴んでくる1人。その力は思っていたよりとても強く、振りほどこうとしたら他の1人が反対側の手を掴んだ。
「っやめ――」
「そんなこと言っていいの、ツキシマくん?」
いつの間にやら部屋にずけずけと入っていた数人が僕の荷物を漁っていた。
「勝手に触るな」
「……は? 何お前、立場わかってんの?」
「立場? ストーカーどもに部屋に踏み込まれて私物を漁られてる最中だと思うケド?
これって警察に通報できるよね、たった3つの数字だし、今しちゃおうか?」
あまりに腹が立ったから、嘲るような目でリーダー格の男を睨みつける。
それで引くと思ってた。部屋から出ていくものだと。
「ばっかじゃねぇの? こっちが何人いると思ってんだよ、お前のこと誘拐して輪姦すのなんて簡単なんだって」
首筋に何かが刺さる感覚。
「…ぇ?」
なにをされた?
頭がぐらぐらする。
体に力が入らない。
効き目いいなこれ、という声を最後に、意識が途切れた。
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