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真実
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黒尾さんを怒らせただろうか。
こんな事考えたって無意味なのは分かってるのに、黒尾さんに嫌われるのが怖くてたまらない。
「……僕って、ほんと、勝手……」
そんな自分が嫌でしょうがない。
逃げ出しただけのくせに勝手に寂しがって、怯えている。
「…………痛い……」
上を向いて涙をこらえる。
その視線の先には高い天井がのびていて、つい数日前にここで待ち合わせをしてたんだと考えた。
『16時発、仙台空港ーー』
アナウンスが流れる。
ああ、もう行かなきゃ。
でも、もう1回だけ黒尾さんに会って帰りたいな。
また涙がこぼれそうになって、歯を食いしばることでそれを堪える。
「…………だいすきです。黒尾さん」
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