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かれいってなあに?
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「さ、食べよう、水音くん」
「………」
「水音くん?」
ボクは名前を呼ばれて司さんの肩辺りを見た。
ボクにとっては人の目を見て喋ることはとっても難しい。
だって、なんだか恥ずかしくなって、ただでさえお喋りは得意じゃないのに、ボクの口は動いてくれなくなる。
でも、司さんが『水音くん』って呼んでくれることは嬉しい。
思いきって本当のお名前言ってよかった。
「…つ、かささんは…」
「ん?」
「……ボク、これから………ワガママ、言います…。つ、かささん、………怒る?」
「そんな!怒らないよ。何かな?言ってごらん」
司さんはニコニコしてボクを待ってくれた。
けど、ボクは焦って上手く喋れない。
「え、えと……あ、…あ……」
「大丈夫、大丈夫。ゆっくり、ゆっくり」
「は、はい……ゴメンなさい。……あ、あの!」
思ったより大きな声が出て、ボクはあわてて口を両手で押さえる。
それでも司さんは待ってくれてる…!
「こ、これは…なん、ですか?」
言えたぁ!!
ふぅと息継ぎをするボクに、司さんが不思議そうにボクに言った。
「カレーだけど」
「かれい……?」
「知らないの??」
ボクはおそるおそる頷く。
お、怒られちゃうかな……
「え、じゃあ、何か好きな食べ物はないの?」
「たべ、もの…?」
「…ウソだろ…」
司さんは初めて険しい顔をすると、うーんと腕組みをした。
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