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水音の正体
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え?ち、ちぢん…えぇ!?
俺は隣ですやすやと眠る水音をガン見しながら必死に口を手で押さえた。
その日初めて水音の全身を見て、昨日の水音と明らかに違うことに気づいた。
水音はたしか、俺の顎下までの身長だったはず…!だけど、今の水音は俺の胸ほどまでしかない。
粗っぽく測っても、昨日から縮んでいることは確かだ。俺は何度も目を凝らしたり、こすってみたり、とにかくいろいろやったが水音の身長は変わることはなかった。
最後の確認、と俺はそっと立ち上がり、水音を横抱きにする。
…まちがいない。縮んでるゥー!!
ちゃんと水音の温もりを感じる。この腕に重みも確かに感じる。
「どうなってるんだ…?」
俺が内心パニクっていると、違和感を感じたのか水音がふるり、と身体を震わして目を覚ました。
「…?」
水音は自分の置かれている状況をうまく呑み込めなくて、キョトンとしている。すると二人顔を見合わせてキョトンとするというヘンな構図になった。
それから二、三秒後。
「う、ウワァアアァァーン」
水音は大声を上げて泣き出してしまった。
俺はようやく我に返って、水音をベッドに寝かし赤ん坊のようにあやした。
「あぁあ! ゴメン、ゴメン。びっくりしたよな? ゴメン、本当にゴメン。俺が悪かった、悪かった。ゴメン、なぁ〜」
俺が必死の思いであやした結果、少しずつ水音の泣き声はおさまっていった。
…昨日泣かしたばっかなのに、また泣かしてどうする、俺。
「ッ……グスッ…つ…かさ、さん?」
名前を呼ばれて俺が反応すると、……初めて笑った。いや、笑ったと言うのは少し語弊があるかもしれない。
正確には頰を緩めた、だ。
だけど、俺は少し驚いて、思わず水音の頭に手を伸ばしていた。なんだか無性に水音に触れたかった。
触れていないと、なんだか消えてしまいそうで。
水音はやはり抵抗らしい抵抗はせず、身体を強張らせながらも俺の手を受け入れる。しばらくワシャワシャとかき回してから、そっと手を放した。
「水音くん、ちょっと聞いていいかな?」
「…?」
「水音くんは今、何歳かな?」
「?…じゅうろく…司さん、覚えて…ない?」
「だよなぁー」
「あ……」
水音は少し迷ったように視線をあちらこちらにやって、結局俺の腹あたりに視線を戻した。
「あの……ボク……小さい?」
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