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ボクと司さんとのスタート
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でも、司さんは今までの人たちとは全くちがう立場で、話し方で、存在感でこの二日間を一緒に過ごしてくれている。
そもそもボクをここに居させてくれているのはどうしてだろう。
そんなことをボーッと考えていると、いつのまにかボクはリビングに来ていた。目の前にはやっぱり司さん。
「水音くん。お腹空いてない?
昨日からほとんど何も食べてないし…」
何も?
「お水…」
「あ、いやそうじゃなくて…その、お腹にたまるものというか…」
「………」
ボクは困ってしまった。
だって、ボク、今までにお水しか飲んだことないから…。あ、もう一つあった。こーん(っていうらしい)のスープしか飲んだことなかったから…。
でも、それを司さんに伝えるのは何だかちょっと気がすすまなかった。
このお家に来てボクもびっくりしてばかりだけど、司さんも同じくらいびっくりしてるようだったから…。
ほら、今だってボクを見て、お目々をパチクリさせてる。ボク、何かヘンなこととかびっくりさせるようなことしたかなぁ…。
「……水音」
今度はいきなり『くん』を抜いて呼ばれた。ボクはさっきの司さんみたいに目をパチクリさせた。
司さんはいろんな気持ちが混ざったような顔をしていた。困ったような、哀しいような、微笑んでるような…そんな顔だ。
ボクは少し迷ったけど、コテンと首を傾けた。
「ちょっとだけ、俺の言うことに答えてほしいんだ。
もしもそれが水音が答えたくないことだったり、知らなかったりしても、素直に首をふって?
俺、絶対に怒らないから」
ボクは初めて司さんの目を見た。
キレイな真っ黒の澄んだ瞳がガラスのようにボクを映している。
ボクは自然と頷いていた。
「まず、そうだな…。
水音はどこから来たの?」
「どこ、から……分かんない」
「そっか…」
「…でも、ボンヤリ暗くて…何にもないところ」
「暗くて、何にもない、ね…」
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