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これからのコト。
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そう訊ねると、水音は驚いたようにこちらを見た後、おとなしくコクンと頷いた。
と、言っても今、プランターには何の植物も植えられていない。要するに土だけの状態だ。
「プランターになんか植えてみる?」
「え!?」
水音は少し大袈裟に驚いて見せた。
タネは流石に手元にないが、タネを買うことは容易なことだった。
だいぶ前に二十日大根のタネを知り合いから貰って植えたことなあった。土の耕し方などは一通り知っているつもりだ。
「うえ、る?」
「ん? もしかしてプランターを知らないのか? その土の中にタネを蒔いて野菜とか、花とかを植えるんだよ」
結構簡単に説明したつもりだったが、あまりピンとこなかったみたいで水音は微妙そうな顔をしていた。
っていうか。
俺、なんかコイツをここに住ませる前提でいないか?
最初はただの家出少年かと思って拾ったつもりが、どうもそう簡単にいきそうじゃない雰囲気になってきた。
少し躊躇いを感じたが、それだけ重要なことでもあったので、俺は口を開きかけて止めた。
さっきの水音の言葉が頭にリフレインした。
『スキ』
このスキには俺はからかい半分で言わせたも同然のつもりだったが、水音はその冗談に面と向かって応えたのだ。
そして、はじめに俺と会話したときのことを思い出す。
『つかさ、さん…』
どう考えても異常な怯え方だった。
驚くだろうとは覚悟していたが、これほどまで怯えるとは何かあるのだろう。
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