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会社で。
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俺はいつもどおりの時間に、いつもどおりの態度でもってオフィスの同僚や上司たちに挨拶しながら自分の席に着いた。
俺が席に着くなり、真っ先に声をかけてきたのは同僚の山口青史だ。
青史は俺と同期で、新人のとき必ず受ける説明会で、元々気が合った俺らはすぐに仲良くなった。
青史は、よっ、と俺の肩に手を置くと、すぐに俺の顔を見て少し驚いた顔をした。
「青史、おはよう」
「おはよう。なんだ?」
「なんだってなんだよ?」
「なんか今日ご機嫌じゃねーかよ」
「え!?」
そんなに顔に出てるか?いつもどおりのつもりなんだけどな…。
「だってお前、よっ、て声かけられてやたら嬉しそーに笑ってるぜ?お前がテンション高いの丸わかりだよ」
「マジでか」
なんでだろう。たしかに頰の筋肉がやたら緩みやすい気がする。
すると青史はぷにっと俺の頰をつついた。
「ホラ見ろ。また笑ってる」
「やめろよ。ハズいだろ」
俺は顔の横にある青史の手首を掴んで降ろさせた。俺のデスクの反対側にいた女性社員がこちらをチラリと見て通り過ぎていった。
「おはようございます」
「あぁ、おはよう」
俺はそれに軽く手を振って応えた。
「おはよう、愛理ちゃん」
「おはようございます、山口先輩」
「ありゃ冷たいな。下の名前でもいいんだよ?」
「遠慮しておきます」
愛理ちゃんと呼ばれた女性社員は青史を軽く流して自分のデスクに戻っていった。
俺がそちらから意識を戻すと、青史が悪びれる様子もなく俺に言った。
「遠慮されちゃった」
「何言ってんだよ。ほら仕事に入れ!」
パコン。
「あ、いて。はーい」
青史の後ろを見やると市丸部長がバインダーを手に立っていた。
俺も青史みたく注意される前にパソコンの電源を入れた。が、俺もパコンと叩かれた。
「お前も遅い!ニヤニヤしてないでさっさと仕事、仕事!」
…そんなにニヤニヤしてるのか、俺?
叩かれた頭に手をやりながら、俺は誰にともなく呟いた。
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