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おしゃべり
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そんなこんなで平和な朝のひと時は(俺の心以外は)過ぎていった。
水音は凛太朗に対しての人見知りはどこへやら、凛太朗の問いかけにポツポツ答えながらコーンスープを見事に飲み干した。
そんな水音に凛太朗も調子をよくしたのか、凛太朗の表情もだんだん柔らかくなっていった。
水音は相変わらずの無表情だが、頰が少し紅潮しているのは気のせいだろうか。
この短時間、時間にしたら出会いから30分ほどで水音と凛太朗は打ち解けていた。
「水音くんはいくつなの?」
「ボク…?ボクは16歳です」
「またまたご冗談をー ((笑
水音くんは早く大人になりたいの?」
「大人に…なれますか?ボクでもなれますか?」
「なれるとも!水音くんはどんな大人になりたい?」
「ボク、司さんになりたいです!」
「俺?」
「え?先輩に?
先輩よかったじゃないですか〜
こんないい子に尊敬されてて!」
「いやまぁそうなんだがな…」
出会ったことのある人間が過去に俺と凛太朗しかいないことは言わない方がいいだろう。
「なんですか。その答え。
いいじゃないですか〜
俺、兄弟けっこういますけどそんなこと言われたことないですよ?
もーちょー羨ましいですよ!」
「兄弟…?」
「そ。俺はにいちゃんが2人に、妹が2人。こーみえて大家族なワケよ。
水音くんはひとりっ子?」
「は、はい」
「いいねーひとりっ子。兄弟もいいけどひとりっ子もいいなぁ」
「凛太朗ーおしゃべりもいいが、仕事遅れんぞ」
そこで凛太朗はおしゃべりをやめ、あわててケイタイの時刻を見た。
「うわ、ホントだ。ヤバいヤバい…じゃあまた後でね、水音くん!
先輩、洗面台借ります!」
「はいはい」
ドタバタと洗面台に走る凛太朗を横目に、俺は残された水音の頭に手をのっけた。
水音は気持ちよさそうに目を閉じた。
…心配は杞憂、か。
目を薄く開けた水音に、俺は微笑んだ。
「おしゃべり、できました」
「そうだな。よくやったな」
「はい…!」
水音も、笑った。
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