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確かな友情と少しの恋情
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「……ナニしちゃてるの、お前は。それに毎日毎日体格が変わるってどゆこと?
じゃあ何?ある日目を覚ましたら水音クンが大男だった、なんてことがあるわけ?
そんなの許せないんですけど」
「うん、俺よりもおっきくなってた…って、え? なんで許せないの?」
「マジかよ。見た目かわいいからって油断しちゃダメってことか…」
クッソ。マジ許せネェ。
俺の司と16歳の男が同棲とか。
社会人ならともかくまだ未成年じゃん。発情期じゃん。まっさかりじゃん。オオカミじゃん!
俺が心の中でまだ会ったこともない水音クンに悪態をついていると、俺が怒ったのかと思ったらしい。
司が俺を不安そうな目つきでのぞきこんで俺を呼んだ。
クッソ。かわいい。
俺がニコリと笑ってやると、司は下唇を少し噛んで離れていった。
さて、司の話を聞くかぎり、俺は完全にフラれたわけではないらしい。
せいぜい愛情に毛が生えたぐらいの好意だろう。そんなモン、俺が吹き飛ばしてやる…
なんて息巻いてみるが、それができず未だ片想いみたいな状態の俺が言えたモンじゃないな、とも思った。
はぁ…せつねーよ。司。
凛太朗も最近司にくっつきまわっているし、俺の知らない間にライバルが増えてばっかりな気がする。
それにしても、さっきあんなにちっちゃかった水音クンが…大男。
正直想像もつかない。受けか?攻めか?
わっかんねーな。
「司」
「な、何!?」
ビクンと反応した司に、
お前、今、寝てなかったか?
って思ったが、それよりも水音クンのことが気になった。
「水音クンが大男ってどんな感じ?」
「…へ? そんなこときいてどうするの?」
「んーなんとなくかな…」
攻めか受けか判定しなきゃ俺の気がすまネェんだよ。
「…ふーん。すっごくイケメンで、大人っぽくなってて…水音そのまんまだった。
喋り方も性格も」
うーん…やっぱり水音クンと話してみないと分からないか…。
俺がモンモンとしていると、不意に司の上半身が倒れてきた。
どうやら限界がきたらしい。
「ホントに夜弱いな…ジィちゃんかお前は」
時刻は夜の11時半すぎ。
俺の胸板にもたれかかる右耳がたまらなく愛おしい。
「水音ぇ…」
司がポツリと呟いた。
「はぁ…」
俺もどうやらまだまだらしい。
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