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ブラックコーヒー
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そして用を済ませた彼が出てきたとき、俺は改めて自分が動転していたかがわかった。
今になって驚いている自分にハテナマークを浮かべさせた彼は一度話したことのある藤本部長だったのだ。
「あの…もしかしてわたしのこと…」
「え、あ、藤本部長ですよね!
一度お話しした…藤本部長」
「あぁ!そうです、そうです。
覚えていてくれたのならいいんです。
一目見たときからキレイな人だと思っていて…つい邪魔だと思いつつも声をかけてしまいました」
そうはにかみながら話すので俺もつられてはにかんだが、ふと違和感を感じた。
なにか…やたらと丁寧だな。
いずれは直属の上司になるはずの彼がなぜ俺に対してこんなに腰が低いのだろうか?
見上げても藤本部長の笑みには嫌みはない。
俺の気のせいなのか、そもそもこういう人なのか…
思わず目を細めた俺に、彼はピクリとも眉を動かさない。
「えっと……凛太朗さん、でしたよね?
ちょっとお話し、しませんか?」
俺は小さく目を見張った。
藤本部長の瞳の闇の中で何かがキラリと光ったような気がして。
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