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トラウマ
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「その…だから、えっち、する場所なワケで…」
「えっち?」
「えっと、好きな人同士がお互いの大好きって気持ちを感じ合う行為?かな…」
「大好き…ボク、大好きな人、います。
ボク、えっちしたいです」
「あのー言っておくけど、大好きってのは友達としてじゃないよ?」
「へ…?」
水音くんは一瞬だけ首を傾けたけど、すぐにひらめいたようにこちらを見た。
「もしかして、えっちって、セックスのことですか?」
「え、あ、まあそうだけど…」
「あ、なら知ってます!
ボクも何度かしたことがあるので」
「え!?
えっちの言葉も知らないのにセックスは知ってるの?
なんだそりゃ…しかも経験あるんじゃん」
「おかしい、ですか?」
「おかしい、っていうか…かわってる?」
「そう…なんですね」
それ以来水音くんが口を開くことはなかった。
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