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怒りの咆哮
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「…水音くんは?」
たっぷりの沈黙の後、凛太朗が言った。
「部長といっしょにいなかったらどこに?」
「え、ちょ…だから、虎が…」
「水音くんかぁ。
司、なにか水音くんがいそうなところとかないの?」
少し考えて、フルフルと首を振る。
そしてまた、青史に寄りかかる。
正直言うと人のことを考えている余裕はなかったのだ。
薄情だと思うかもしれないけど、その時は藤本に対しての恐怖だけが支配していた。
水音のことも大切だけど、
今はただ、このぬくもりに包まれていたかった。
俺は…青史さえいれば、何もいらない。
そう思えたのは初めてかもしれない。
青史の胸に頬ずりした。
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