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水人間の行方
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募る想いとは反比例の嫉妬心を燃やしながらやっと凛太郎との約束の日になった。
だけど当日になってなぜか突然司先輩への罪悪感が湧いてきて、家で悶々としていた。
そろそろ用意をし始めなくちゃいけない時間帯なのに、なんとなく身体が重かった。
この日を待ち受けていたはずなのに。
司先輩に内緒でこんなことしてもいいのか?
司先輩がこのことを知ったらこんな俺のことどう思うだろう?
とかよけいな心配をしつつ、自分を奮い立たせようと出かけようとした時だった。
プルルルル…プルルルル…
俺の心を読むようにスマホが鳴った。
思わず素でビクッとして、気がかなり動転した。
あわててバッグの中を漁ってスマホを取り出そうとしたが、焦るあまりスマホを落としてしまった。
プラスチックが硬いフローリングに当たってイヤな音を立てた。
お、落ち着けよ俺。何もそんなに取り乱すなよ…
あーあ、ケース割れてなきゃいいけど…
「はい! 俺!」
「…!? ふふ、何それ♬
そんなに僕からの電話にドキドキしたの?
トウちゃんカワイイ♬」
「なんだ、ウラノか…」
「こらこら、なんだはないよ?
まったくシャイなトウちゃん♬」
「…………」
「ねぇねぇ、トウちゃん今どこ?」
「はぁ、どこでもいいだろ」
なんだか拍子抜けして、ため息とも深呼吸ともいえる息をして片手を腰に当てた。
せっかく用意したカバンは電話にでた拍子に床に落ちっぱなしだった。
それをなんとなし見ながらウラノに返答する。
「ふふ、ごめんネ!
今トウちゃんの家の前にいるんだけど…」
「はぁ!?」
「え、トウちゃ…」
ガチャッ!
ウラノが止める前に俺は玄関を開けてしまう。
「テメェなんでこんなとこに…あれ?」
「……僕、トウちゃんのマンションのエントランスにいるから、たぶんそこにはいないよ?」
「あ…」
は、…………ハズッ!!
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