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転がる運命
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どうしようかと店内を移すガラスを睨みつけていると、意外なことにも話しかけてきたのは司先輩側だった。
「凛太朗、さん?」
ひとりごとみたいにそっと話しかけられ、凛太郎がそちらを向いた。
「あの、失礼ですが、どちらさまで…」
「何してるの、水音」
聞き慣れた、だけどなつかしく愛しい声が耳に響く。
それだけで喉の奥がひゅうと鳴った。
ふりかえると、サイフを手にした司先輩と水音と呼ばれた男が立っていた。
ってデカっ!
身長いくつあるんだ、コイツ。
「え、凛太朗と…ぶ、部長!?」
気づいてなかったらしい。
司先輩の座っていた位置から俺は見えないからだってのは分かっていたけど、気づいてほしかったなんて思ってる自分がいた。
あぁ、驚いてるのもかわいい。
イジメたくなる。
とんでもないことを考えながらも俺は用意していた言葉を口に出した。
「あれ? 水垣さん。いらしたんですか。
奇遇ですねぇ」
「…どうも」
ふふ、いかにも俺に会ってイヤそう。
「司、さん?」
司先輩の反応に浸っていた俺を割り込んできたのは隣の男。
コイツ、デカいのに声わりと高いな…
って、そんなことはどうでもいい。
今の所、司先輩にもその男にも何か変わった点は見当たらない。
これはチャンスだ。
できるだけ自分からは関わらないようにしていたけど、やっぱり今回はそういうわけにはいかない。
それに……
いったいどうしてだろうか。
嫉妬か?
焦りか?
プライドか?
そのイケメンな男に、無性に腹が立ってきた。
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