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「五月蠅い。オレにだってこういう日はあるのだよ」
フンと鼻で笑いながら眼鏡のブリッジを押し上げ、唇を塞がれた。
真上からのキスは自然と深くなり、性急な動きで舌が口腔内に入り込んでくる。
いつものゆったりとしたキスではなく、貪るような激しいキスに呼吸がままならない。苦しくなって唇を離そうと首を振っても追いかけてきて、また、深く重なる。
「ふ、ぁっ。は……ぁ」
歯列の付け根や敏感な粘膜を舐められてあまりの心地よさにくらくらした。
「あ……」
腿の辺りに自分とは明らかに違う熱を感じ、高尾はびくりと身体を震わせた。
(真ちゃんが、興奮してる……)
こうなる事を望んでいた筈なのに、心境は複雑だった。
コレは彼の本心からではない。薬に踊らされているだけだと思ったら良心がズキズキと痛む。
「――いやか?」
確認するように熱い掌が頬を撫で息が止まりそうになった。
瞳の奥にギラギラとした欲望の色を湛えながらいつになく不安げに尋ねられ、苦笑する。
「俺がヤだっつったら止めてくれんのか?」
「……悪いが今日はそんな余裕無いのだよ。お前が欲しくて堪らない」
「――っ」
ごくっと、喉が鳴った。緑間が自分を求めてくれた嬉しさと罪悪感の狭間で心が揺れる。
「ごめん、……ごめっ、真ちゃん」
「何を謝る必要がある?」
意味がわからないのだよ。と首を傾げられ高尾は小さく首を横に振った。
「なんでもねぇよ……真ちゃんが求めてくれんなら大歓迎だぜ」
はにかみながら彼の背に腕を回し、自分からゆっくりと唇を触れ合わせる。
それに応えるように薄く開いた唇の隙間から潜りこんできた舌に、先ほどの続きのように激しく舌を絡め取られる。
「んっ、ん……はっ、ふ」
キスに夢中になっているといつの間にか服の中へ入り込んでいた指先が胸の小さな突起に触れた。
「あっ……」
人差し指で押したり潰したりして弄られると意識が胸に行ってしまい、びくりと身体が震える。
乳首を指で弄りながら、急いた熱い唇が首筋を辿り、鎖骨、胸へと降りてくる。
指で弄られた小さな突起を舌の先で弾かれると腰が甘く疼いた。
その間にも緑間の指先は胸元から下腹部へと降りて行き、ベルトのバックルを外す音が部屋に響く。
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