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「あ……ぁあっ」
射精後の気だるい身体を支えきれずにぐったりと給水タンクの縁に凭れかかる。
「~~最悪。俺、もう死にたい……」
まさか、よりにもよって真ちゃんのユニフォームにぶっかけるとか。あり得なすぎて自分が許せない。
「ま、いいんじゃね? 次の試合までに洗ってコッソリ返せば」
「っ! そう言う問題じゃないっすよ! アイツにバレたら俺マジで生きていけない……」
「…………」
冷ややかな目で見られるだけならまだいい。だけど、真ちゃんの隣にいられなくなるのは絶対に嫌だ。
給水タンクの縁に顔を伏せて凹む俺を見ていた宮地さんは、「マジ面倒くせ~な、お前」
と呟いて俺の隣に腰をおろした。
「あのさ、前から思ってたんだ。……なんで、そんなに好きなのに告らないんだよ」
「俺、別に真ちゃんと付き合いたいとかないんで」
「は? 意味わかんねーし!」
理解できない。と、言った風に宮地先輩の眉間に深いシワが寄る。
「真ちゃんは俺の憧れなんです。綺麗すぎて手が出ないって言うか……きっと、俺がこんな感情持ってるって知ったら、アイツ絶対引くだろうし。10がダメなら0になるとか嫌なんで」
真ちゃんが、俺の気持ちに気が付かなければずっと隣にいられる。だけどもし、気が付いてしまったら?
受け入れてくれるならいいけれど、清廉潔白な真ちゃんの事だからきっと俺から離れて行ってしまうだろう。
そんなのは、嫌すぎる。とてもじゃないけれど耐えられない。
はぁ。と、再び大きな溜息が洩れた。その途端、黙って聞いていた宮地先輩がいきなり俺の頭をポカリと殴った。
「いって~~。いきなり何するんっすか!?」
「お前さ、緑間の事を神格化しすぎ! そういうのマジうぜーっ!」
「宮地……さん?」
「緑間だって人間だろうがっ! あんだけお前にスキスキ言われてて気付かないわけねぇだろアホ! 大体、告る気がないとか言いながら、心の底では望んでるんだろ? 本当は俺なんかじゃなくて、アイツに……って」
一気に捲し立て、肩で荒い息をしながら鋭い視線を俺に向けてくる。
つーか……なんで俺よか、宮地さんの方が泣きそうな顔してんだ。
「――っ、とにかく! お前見てるとマジでイライラすんだよ」
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