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「何の真似ですか、竹内君?邪魔しないでもらえます?」
「え、え、え!?何何何!?どゆことなにこれどーゆー状態!」
俺の知らないところで何が起ころうと構わないが、目の前で一般人が毒牙にかけられようとしているのを見過ごすのは俺のポリシーに反する。
ということで、俺は今強引に副会長の腕を引き離し、辰巳を自分の腕の中へ引き寄せた訳。
普段見たこともないような目で睨み付けてくる副会長を前髪越しに睨み返す。
「まあ、普段ならこんなことしないですよ、上手いぐらいに視界に入らないから。ですが、今回ばかりは目の前ですし。同性愛に偏見はないですが、嫌がる相手に口づけするなんて下衆のすることだと思ってるんで。それにもしさっきのシーンを生徒に見られでもしたらどうなるか…この学園に小学からいる副会長さんならお分かりだと思うんですけどね。以上を踏まえて考えて頂きたいのですが、今の俺の行動は本当に邪魔でした?」
まくしたてるようにそう言ってやれば、ぐうの音も出ないようで押し黙った。
いまだ腕の中でわたわたしている辰巳を開放し、頭を一つぽん、と撫でると歩き出す。
「じゃあ、行きましょうか。理事長も待ちくたびれてるでしょう。理事長室までは行ったことないので、改めてお願いできますか、副会長さん」
「………え、今の今で案内頼みます?了承すると思っているんですか?というより、本気でいってます?もう一年たつのに校内把握してないのですか?」
「勿論ですが?だって副会長さんは人の目を特に気にしてますから、理事長室まで案内を頼まれてるならそれを放棄したりしないでしょう。そしてこの無駄に広い校内を一年で覚えるのは無理があります」
「あ、あのオレからもお願いします。ちょっと怖いけどアンタ、じゃない!副会長さん?だけが頼りなんです」
「う…わかった、分かりましたよ!榛まで使うなんて最低ですね、竹内和泉」
別に使ってねーし、という言葉はさすがに飲み込んだ。
もうコイツと話すの面倒。
「じゃあ行こう、榛。はぐれないように手を繋がない?」
「い、いや、遠慮しとく。ね、ねえ竹内君だっけ?手、つないでもいいかな?」
「え、嫌だけど。怖いなら俺真ん中にすればいいべや。…ほらこれでいいだろ」
そんなわけで副会長、俺、辰巳の横並びで理事長室へ向かうことになった。
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