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「疲れてるね〜大丈夫?」
「…余計なお世話だ。よし、荷物を運べ。」
そういって一番大きいダンボールを指差すと、嶋津は口を尖らせた。
「またこれ〜?なんで重いのばっかり。」
「黙って運べ。」
「横暴〜!」
文句を言いながらも嶋津はしっかりダンボールを抱えた。
寝起きで体は重いが部屋をどうにかしないとゆっくり休むこともできない。
意を決して箱を持ち上げた。
「ねぇねぇ、なんで仁ちゃんはリコールされたの?」
荷物を整理しているとベッドに座って傍観していた嶋津が聞いてきた。
なんとなくで聞いたのだろう…
悪気がないことはわかっていたが俺は思わず手を止め黙ってしまった。
「仁ちゃーん?」
俺の様子に気付いたのか嶋津は立ち上がって俺の目の前に来た。
「あ、あれ?なんか聞いちゃいけないことだったかな?ご、ごめん?」
慌てたような声に今更怒る気はわかなかった。
俺は作業を再開して口を開く。
「はぁ………別に。職務怠慢、職権乱用だとよ。」
「…は?」
別に隠すことでもなく、何回も口にしたそれを正直に答えてやると嶋津は短い声を発した。
「俺が仕事もせずに遊び呆けてたから…。俺には生徒会長でいる資格はないんだとよ。」
本当は思い出すだけでイライラしてくる。
嫌でもあの転入生や役員、風紀達の顔、生徒たちの非難の声や俺を見つめる…否、睨みつける嫌悪の目が頭から離れない。
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