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「……自炊か…めんどくせぇ。」
今日は寝ていたかった。
でも、腹は減っている。
食堂は使えない。
……作るしかない。
重い身体を引きずるように部屋を出ると、当たり前のように嶋津もついてきた。
「仁ちゃん料理できるの??」
「……それなりに。」
意外だと叫ぶ嶋津を無視して欠伸を噛み殺しながら奥のキッチンに向かう。
そして、冷蔵庫を開いて絶句した。
「………なぁ、嶋津。」
「ん?どうした〜?」
「どうした?じゃねぇ。お前は材料もねぇのにどうやって料理してたんだ?あ″?」
冷蔵庫の中にはペットボトルに入った水と炭酸飲料と菓子類しか入っていなかった。
「え〜?だって俺料理できないし〜!」
チッ……こいつありえねぇ…
「このアホが。」
冷蔵庫を乱暴に閉めて、玄関に向かう。
「どこいくの??飯は?」
「……材料買いにいかねぇとどうにもならねぇだろが。」
「カップ麺あるよ!」
「んなもん健康に悪い。」
こいつはずっとこうやって過ごしてきたのか?
別に俺にこいつがどんな生活をしていたのかなど全くもって関係ねぇが……
ふと視線を向けたテーブルの上にはカップ麺二つと電子ケトルが置かれている。
……これを俺に食わせるつもりだったのか?
「………ありえねぇ。」
止まないため息とともに、部屋を後にした。
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