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「今日結構来てんな。めんどくせぇ。」
黒木はそう言って本当に面倒くさそうに出席簿を開く。
「あー豊田はまた来てねぇのか。単位ヤベェって言ってんのに。せめて朝だけは来いって言っとけ。留年されるのは迷惑だ。」
「クロセンさいこ〜」
………こいつ…
呆れて何も言えねぇ。
「よし。今日も自習な。喧嘩はほどほどにしろよ。あ、……」
…何があ、だ。
忘れてただろ完璧に。
「そーだった。入れ、片桐」
「チッ……」
手招きされてようやく足を踏み入れた。
瞬間、あれだけやかましかった室内が静まり返った。
俺の足音だけが響く。
痛いほどの視線が俺に刺さる。
黒木のそばまで行き、生徒たちのほうに顔を向けた。
………目に悪い。
3分の2程度のつくえが埋まっていて、それぞれが違う色。
その光景に思わず顔をしかめた。
「こいつは片桐だ。新入りだからあんまりいじめてやんなよ。じゃ、後は上手くやれ。」
黒木はそういうと俺の肩を軽く叩き教室を出て行った。
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