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……この年になって仲間だなんだってそんなことで熱くなれるヤツらの気がしれねぇ。
胸糞悪りぃ……
勢いのまま教室を出てきたが、行く当てがない。
「はぁ……部屋に戻るか。」
どうせ授業がないならどこで勉強しようが関係ないだろう。
校舎を出て寮に向かう。
最近はずっと生徒会室にこもって溜まりゆく書類とひたすら向かい合っていた。
それで授業にも出れなかったが、やることは多く、暇を感じることなどなかった。
ふと、立ち止まり空を見上げた。
こんな明るい時間に外に出て
何にも縛られず歩くのはいつ以来だろうか。
どこまでも青いだけの空が異様に眩しく思えて額に手をかざし、目を細めた。
……自分は何をやっているのだろうか。
逆に何をやってきたのだろう。
俺がやってきたことに何の意味があるのか。
時間ができた分今まで考えなかったようなことばかりが頭に浮かぶ。
思わず苦笑いが漏れた。
「……間違ってなんかいねぇ。意味なんかなくても俺がやってることは正しいんだ。」
いつだってそう信じてきた。
今だって変わらない。
自分が正しければそれでいい。
どこか揺れていた気持ちを引き締め、空から視線を落とした。
せっかく自由になったんだ。
ようやく柵から解放された。
…………ここからじゃないか。
余計な考えを振り切り、歩き出した。
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