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先に逸らしたのは奏。
拳を握りしめ、俯いた。
「……昨日はいきなり殴ってごめん」
「……は?お前まで謝んのかよ」
拍子抜けだっての
「で、でも!僕は絶対お前を認めない!いいか!僕とお前は敵だ!」
「はいはいそーですかー」
ビシッと指をさされて言われ、張り合う気がなくなった。
「な、なんだ、その態度!人の話を聞け!」
「聞いてる聞いてる。で?まだなんかあんのか?」
「この野郎っ!」
「ストップ。落ち着け、奏」
また掴みかかろうとした奏を涼が止めた。
横から嶋津の笑い声が聞こえる。
「こいつはともかく、俺も片桐と仲良くしたいんだ。昨日の今日だけど…」
「いや、別に仲良くしなくていい」
「ちょっと仁ちゃん!それはあんまりだよ!」
「お前は黙れ」
「まぁ、そう言われるのは覚悟してたわ。俺は内田涼。んで、こいつは龍島奏だ」
そういって手を差し出されるがもちろん断る。
仲良くする気はない。
ただでさえ嶋津みたいな鬱陶しいやつがいるのにこれ以上は本当に面倒だ。
「お前は?上しか知らねぇから」
拒否ってるのに凝りねぇやつだ。
「……片桐仁」
「仁か!これからよろしくな!」
「嫌だね」
「仁ちゃーん!」
そんなこんなで昨日のことは解決……なのかしらねぇがどうにかなって、ついでに面倒ごとまで増えてしまった。
笑い合う嶋津と涼、いまだにしかめっ面の奏。
…………面倒だ。
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