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「……なんのようだ」
睨みつけ、唸るように言った俺をただ見下ろす。
生徒たちは息を潜めて俺たちの様子を伺っているようだ。
しばらく睨み合っているとヤツはようやく口を開いた。
「片桐仁。どうだ、考えはまとまったか?」
は……?
意味がわからねぇ……
その気持ちのまま聞き返してやると一瞬やつの眉間にシワが刻まれた。
が、すぐにまた無表情に戻る。
「俺のことはわかったはずだ。だからもう一度返事を聞いてやる」
そういうとあの時と同じ様にクガワタクトはグッと俺の顎を掴み、自分の方に軽く引き寄せた。
必然的に近づく距離にさら顔をしかめてやるが全くもって効果はない。
「俺の犬になれ」
あの時と全く変わらない台詞
それに他の生徒たちは驚きの声をあげる。
嶋津も同じだ。
「ちょっと、たっくん?どういうつもり!?」
……たっくん?
あぁ…普段はそう呼んでるのか
本当にややこしいヤツだ。
なんて冷静に考えているのはただの現実逃避
……この状況をどうしろっていうんだ、本当に
「仁ちゃんを離しなよ!」
「悟、お前はさっきからうるせぇ。俺のやることに口出しするな。こいつはお前のなんだ」
「友達だよ!仁ちゃんは俺の友達!」
嶋津の必死な声にヤツは視線をそちらに向けるが、顎を捉えた手はそのままだ。
いい加減首が痛い
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