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立ち上がろうにもまだ全身の痛みが引かない。
後頭部も打ったせいか目を開けば目の前が霞む。
「くそ……」
まぁ、わかってたことだ。
暴力を受けることぐらい覚悟していた。
それがこの程度で済んだんだ。
逆に良かったといえば良かったじゃねぇか。
とりあえず、痛みが引くのを待ってから帰るか……
そう考えて目を閉じた。
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「ーーゃん、じーーっ!仁ちゃん!」
遠くから聞こえていた声が鮮明になって行く
「仁ちゃん!!」
「うるせぇ」
目を開くと目の前には嶋津がいた。
その顔はなぜか泣きそうで俺の声を聞いた途端、心底安心したとでも言うように肩の力を抜いた。
「よかった〜このまま目ぇ覚まさなかったらどうやって運ぼうかと思ったよ〜」
「……なんでここにいる」
場所は変わらずあの空き教室だ。
どうやら痛みが引くのを待っててそのまま眠ってしまったらしい。
雨の音もさっきと変わらず、いやその威力は増して聞こえてくる。
電気がつけられているため、嶋津の顔も、さっきはよくわからなかった部屋の様子もハッキリと見えた。
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