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それよりだ
今の状況はなんなんだ。
教室を出て階段を降りた途端これだ。
「……俺たちはお前を許さない」
いやいや…いきなり取り囲んでおいて第一声がそれかよ
でも、その声でハッキリわかった。
……あの声だ
あの日、呼び出された日に一人残って俺を殴っていったそいつの声だ
「あっそ。で?」
「……ここから出て行け。お前の存在は邪魔でしかない。温室育ちのおぼっちゃまがこんなところになんでいる?目障りなんだよ。本気で殴り潰すよ?」
「……ふーん。なら…殴ればいい」
迷いなくそう言うと俺を睨む生徒たちの目に戸惑いが走った。
「殴って気が済むなら好きにしろ。この前だってお前にはそう言っただろ?」
そういって中心の人物に目を向ける
薄暗い中、改めて見たそいつの顔は名前こそ知らないが、同じ教室にいたことは確かだ。他の生徒も同様。
そして、他の誰もがたじろぐ中、そいつだけは瞳が揺らいでいなかった。
……思ったより本気らしい
「無駄に力使いたくねぇんだよ。まだ俺たちが大人しいうちに出て行けって言ってんの。拓人さんが言わないから言ってやってんだよ」
「はっ…どんだけ自分達の力を過信してんだか。いいか、俺はお前らみたいな群れないと牙向けれねぇ弱者が一番嫌いだ。自分がどう思ってるか知らねぇが、お前らは十分弱い」
「っ……ッざけんな!!」
静かな廊下に生徒の怒声が響き渡る。
その瞳は怒りで満ち、握りしめた拳は全身を支配する興奮のままに震えている。
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