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「食堂で何か食べやすいものもらってくるから、ゆっくり寝ててよ」
「……あぁ」
適当に返事を返すがその声はもう遠い。
また何か言っているのを意識の隅で聞きながら眠りに落ちた。
それからしばらくはほぼ寝たまま一日を過ごした。
その間、なぜか嶋津まで教室に行かなくなり、時々意味なくベッドサイドに来て、バカみたいに喋って気が済むと出て行く。
そんなことを繰り返して、今日はようやく復帰することになった。
といっても別に何も変わらない。
来ないことが当たり前の生徒もいるし、来ても来なくても構わないのがFクラスだ。
増してや新参者の俺がちょっとやそっと休んでいたくらいで気にされるわけがない。
少なくとも俺はそう思っていた。
「お!仁じゃん、ようやく復活か!」
「……あのまま戻ってこなければ良かったのに」
教室に入るなり声をかけてきたのは涼と奏だ。
肩に手を置いてきた涼はおかえりだのなんだの言ってくるのが、俺はあぁとだけ返事をしてその手をどかした。
まぁ、奏は相変わらずだな。
俺が気に入らないのであれば声をかけなければいい話だろうが
二人を適当にあしらって、特等席にもなりつつある窓際の席につくとすぐに参考書を取り出した。
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