アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
132
-
「お前は根性だけはある奴だと思っていたんだがな。このくらいで折れちまうほど弱っちい奴だったのか?」
「…………」
「早く行け。もうここへ来るな」
冷たく言い放つと後ろで息を呑むのがわかる。
それでも振り返らない。
沈黙が流れる。
東が何を考えているかわかんねぇが、いくら言われたって頷く気はない。
考えるだけ無駄なのにな
しばらくするとようやく東が立ち上がったのが雰囲気でわかった。
「……俺は諦めない。また来る」
「……ふん」
足音が遠ざかって行くのを背中に聞きながら俺も歩き出す。
やっと面倒が去った。
少し気の毒な気もしたが、こうなったのはあいつらの責任だ。
無責任だなんて言われるかもしれねぇが、そうだろう?
全てあいつらが招いたことだ。
俺にはもう関係ねぇ
ため息を吐き出して顔を上げる
ふと前に視線を向けてあるものが視界に入って思わず足を止めた。
廊下の途中の壁に寄りかかってこちらを見ている生徒
俺はそれを見据えグッと目を細めた
すると相手も無表情ながら同じように目を細めて俺を見る。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
132 / 376