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せめて、体育祭までは……
自然と頭がそのことを考えていた。
頑張ってる奴らが報われないのは気に食わない。
さきほどの必死な東の姿が思い出される。
……自業自得だ。
今更だろう?
戻る気は微塵もない。戻りたくもない。
一度自分を裏切った場所に帰れるほどの度量を残念ながら持ち合わせていない。
だが、
やっぱり気に入らないもんは気に入らない
……こいつらも裏切られるんだな
そう思うとその気持ちは高まる。
やり場のない感情を抑え込むように机に突っ伏した。
「あれ〜?仁ちゃん、寝ちゃうの?珍しい〜!」
「……黙れノーテンキ野郎」
「ん〜?ちょっとイライラしてる感じ?」
音で嶋津が立ち上がったのがわかった。
机の横に立ったのかすぐ近くに気配がする。
「あ!走ってる!そっか〜体育祭近いんだもんね〜いいな〜」
「……そうか、このクラスは参加出来ねぇのか」
そういえばそうだった。
Fクラスは行事の全てに参加する権利がない。
これも食堂を使えないのと同じ理由
問題を起こされたくないからだ。
「そうなんだよね〜つまんなーい!」
俺は顔を横に向けて嶋津を見上げた。
奴は本当に羨ましそうに窓の外を見つめている。
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