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「なぁなぁ、さっきのって風紀委員長だろ?」
涼は俺の前の席に座りながら聞いてきた。
「あぁ、よくわかったな」
「ちょっと向こうと関わりがあってな。何度か追いかけられた」
そう言って笑う。
「関わり?」
「幼馴染が向こうにいるんだよ。ちっさいくせに強気で……そのくせ寂しがりやで一人じゃ何もできやしない」
いや…聞いてねぇ……
つか、なんだその顔
なんとなくその話し方と表情でピンときた
「……てめぇの惚気なんぞ聞きたくねぇっての」
「の、惚気!?ってかなんでわかった!?」
おぉ…真っ赤っか
「そんな顔されたら嫌でもわかる」
そう言ってやるとハッとしたように両手で顔を隠した。
なんだこれ
付き合ってるのかは知らねぇが
こいつでも好きなやつの前ではこんな風になるんだな。
なんて少しだけ感心した。
「こっちとあっちじゃさ、明らかな壁があるから滅多に会えねぇんだよ。あいつは俺がいなくちゃダメだってのに……」
そう呟くと涼は窓の外に視線を向けた。
もしかしたら、グラウンドで体育祭の練習をしている生徒の中にその彼がいるのかもしれねぇ。
その横顔は複雑そうでどこか寂しげだ。
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