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“ニャー”
足音でか、気配でか俺に気づいた猫はこちらを見つめて鳴き声を上げた。
「…………」
俺は無言でその場にしゃがみ込み、右手を猫の方に差し出す
すると、少しの間警戒しているようだったが、すぐに近寄ってきて小さな鼻を俺の手に押し付けてきた。
猫は真っ黒で目が黄色だ。
俺は鼻に触れていた手をそっと動かしてその小さい頭に触れた。
一瞬身体を震わせたが、目を細めて自分から擦り寄ってくる。
「……お前、懐いてんだな」
どこから入ってきたのかも不思議だが、ただの野良猫がここまで愛想がいい訳が無い。
しかも見た感じ、まだ子猫だ。
生まれたばかりってくらいの未熟さはないが、成猫と言えるほど大きくはない。
慣れてきたのを見計らって、その小さな身体を両手で持ち上げた。
目の前に持ってくると黄色くて鋭い双眸と視線がぶつかる。
猫は俺をじっと見つめたまま暴れたりはしない。
……くそ、なんだこれ
「お前、ちっせぇな……」
俺の声に応えるように猫はちっさい口を開けて軽く鳴いた
それに思わず頬が緩む。
……癒される
猫は好きだ。
よく意外だって言われるけどな
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