アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
155
-
「それは俺のセリフ、と言いたいところだけど君の噂は3年の俺でも聞いてるからね〜」
「……3年生」
道理で見たことないと思った。
つか、まさかの年上かよ
男は俺の手から黒猫をスッと抜き取り、隣に腰掛けた。
「俺は大輔って言うんだ。会長さん?」
「……そうか。つか、その呼び方やめろ。俺はもう……」
「あーそうだったね。リコールされちゃったんだっけ?片桐くん」
「………あぁ」
悪気もなくサラッと言ってくるから言い返すこともできない。
そんな俺に気づいてか大輔はチラッとこちらを一瞥して薄く笑った。
「チビ〜お前、浮気だぞ?いくら片桐くんがイケメンだからってあんなに懐いちゃって」
そういって黒猫の頭をポンポンと撫でている。
猫も喉を鳴らしてその手に擦り寄っている。
「チビ…?」
「そう。こいつは俺が学園の外で拾ってきたんだ。警戒心がかなり強くてね〜俺以外には懐かなかったんだけどな。君は例外。」
学園の外……
その言葉が少し気になった。
でも、これだけ自由なクラスなんだから学園を抜け出しても何の問題も無いんだろうな
「……どう?こっちは。もう慣れた?」
「……そこそこ」
大輔はチビから目を離すことなくたんたんと聞いてくる。
俺もそれにどこか機械的に答えていく。
少しずつ日が落ち、鮮やかだった赤色も黒に染まりつつある。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
155 / 376