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「……あの人にあまり近づいちゃダメだよ?」
「あ?なんでだよ」
やっと口を開いたと思ったらそれだ
なぜこいつに俺の行動を制限されねぇといけないんだ。
「なんででも!何があるかわからないから…わかった?」
「………ふん」
どこか圧をかけてくるような言い方
それに適当に答える。
嶋津は俺の反応に納得がいかないようだが、それ以上は何も言わなかった。
食事を終えて、先に嶋津から風呂に入らせ俺は自室に戻っていた。
机の上で参考書を広げる。
……あっちのクラスがどこまで進んでいるのかわからねぇ
興味なんてこれっぽっちもないが、学力で向こうに劣ることがあってはいけないから、それなりに学習進度は気になっている。
手探りで独学を進めていくのもいいが、そろそろ限界を感じ始めていた。
ほぼ無の状態で参考書を眺めていると、その横に置いたケータイが震えた。
「はぁ……またか」
……これで何日目だっての
あの通話があって以降、ほぼ毎日のように兄から電話がかかってきている。
もちろん、一度も出たことはない。
なんとなく名前を確認して思わず目見開いた。
そこにはいつもの名前はない。
てっきりまた兄からだと思ったのに……意外すぎる人物の名前にただ戸惑った。
……なんで今更あんたが?
俺に何のようだよ
「……チッ…」
……父親からの電話
出ないわけにはいかない。
仕方なく俺はケータイを手に取り、通話ボタンを押した。
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