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「……信用できねぇか?あいつが」
口振りからして俺の考えている相手がわかっているようだ。
何も言い返せず両手を組んで俯く
そんな俺の肩に玖川の手が置かれた。
いつの間にか距離も埋まっている。
「まぁ、今はそれでいいんじゃねぇか?それなりに何か考えてるみてぇだしな」
「……お前、そんなに饒舌だったか?」
意外だな…
内容も内容だが……
こんなに喋るやつなんだな
「……お前に俺はどう見えてんだよ」
玖川はそういって薄く笑った。
……こうしてみると普通の人間だ
始まりが始まりだったから、ただの変人かと思っていた。
「……玖川」
「……あ?」
「ちけぇ…」
何ちゃっかり隣に来てんだよ
さっきから膝当たってんだっての
「別にいいだろ」
「よくねぇ…離れろ」
そう言って肩の手を払い、ついでにグッと押した。
「ふっ……そんな力じゃ俺には効かねぇよ」
「は?…ちょっ…おい!」
突然押していた手をとられ、バランスを崩した体は横に倒れこんだ。
そしてそのまま玖川の広い胸にぶつかってしまった。
「……お前、大胆だな」
「う、うるせぇ!お前が悪りぃんだろ?つか、離せ!」
何を考えたか玖川はそのまま俺の背中に手を回してきた。
もはや距離はゼロ
慌てる俺の耳に穏やかな鼓動が聞こえてくる。
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