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「あーあ。またたっくんは脅しちゃって〜」
「俺は何もしてねぇだろうが」
「も〜……で?なんで街に降りちゃいけないの??」
……少しだけ驚いた。
嶋津はまるで睨みつけるような鋭い目つきで玖川を見たから
玖川もそれに気づいているのか、小さくため息をついた。
「……なんつか、少し荒れてんだよ、下。だからしばらくは……
「ふん、そのことか!」
嶋津は玖川の言葉を最後まで聞かず、立ち上がった。
「……おい」
「駿くんから聞いてるよ。たっくんが一人で動いてるってこと」
「…………」
「大事なことを話してくれない人の話なんか聞きたくもないね」
そう言うと嶋津は出口の方に歩いて行った。
「おい、嶋津?」
「あー仁ちゃん。俺今日遅くなるから夕飯はいいや!じゃあね」
嶋津は振り返ることなく教室を出て行った。
「………なんだ、あいつ」
「さぁな」
素っ気ない声
顔を玖川の方に向けると、やつも嶋津の出て行ったドアを目を細めて見ていた。
「……さっきの話はなんだ?」
「…気にするな」
何が気にするな、だ。
明らかに嶋津は怒っていた。
あんな嶋津を見たのは初めてだ。
それに聞かれたくねぇなら、俺のいないところで話せってんだ。
「嶋津が怒るってことはよっぽどのことなんだろ?」
「……お前には関係ない」
「……それを言われちゃおしまいだな」
これ以上聞いても答えないだろう
別に無理に追求してまで聞きたいことでもないしな。
俺はため息をついて開いていた参考書に視線を落とした。
「………あいつは俺のことが嫌いなんだよ」
「は?」
その言葉に下げたばかりの視線を持ち上げる。
細く鋭い目がまっすぐ俺を見据えていた。
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