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「……俺が誰にでもこんなことすると思ってんのか?」
「さぁな。興味ねぇし、てめぇのことなんかこれぽっちも」
「…ハッキリ言いやがって、てめぇ……」
玖川はグッと目を細める。
「もういいだろ?いい加減離れろ。そろそろ黒木も来る」
それにさっきから周りの視線がやべぇんだって
ただ黙って見ているものや、きまずそうにチラチラ見てくるやつ、中には小声でもっとやれだの冷やかしにも似た声をかけてくるやつ。
……殺意にも似た視線を感じるのはきっと気のせいだ。
ヤツの手を掴み、グッと下に押すとすんなりその手は離れてくれた。
ちょうどその時、教室のドアが開いて黒木がいつものように気だるげに入ってきた。
「ほら、もう来たぞ。いい加減前向け………っ…!」
それは、黒木から玖川の方に顔を戻した瞬間だった……
いきなり顎を掴まれて軽く上を向かされた、と思った瞬刻の後……
……思わず見開いた目の前にはヤツの細い双眸
ふわっと鼻を掠めるのは、あの夜と同じこいつには似合わない柑橘系の香り
そして……唇に感じるのはあの日と同じ自分のものではない…温もり…
一瞬……
何が起きたのか…混乱した頭では判断できなかった。
周りの音が遠のく……
離れようにもすでに後頭部を玖川の手によって抑えられている。
前のようにその胸板を押そうにも机と椅子の背もたれが邪魔して出来ない。
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